Elastic Load Balancing の暖気申請について
はじめに
Elastic Load Balancing の暖気申請についての申請方法や申請に必要な情報をご紹介します。
ELBの暖気運転について
ELBは負荷に合わせてスケールする機能がありますがELBのスケールにはある程度の時間がかかり リクエストが瞬間的に増えたときはELBのスケールが間に合わないことがあります。 その際ELBはHTTP 503を返します。
そこで回避策としてあらかじめTVやメディアによる露出など急激なアクセス増が予想される場合に ELBの暖気申請を行い事前にELBをスケールしておきます。
注意事項としてAWSサポートプランはBusiness / Enterpriseに加入している必要があります。
ELB暖気申請フォーマット
以下、申請フォーマットの内容です。
- ELB名・リージョン、またはFQDN
- 予測されるピーク時のリクエスト数 (requests/秒)
- 予想されるピーク時の1リクエストあたりのリクエストサイズ+レスポンスサイズ(bytes)、または想定スループット(bit/秒)
- Pre-warmingが必要となる期間 (開始時刻・終了時刻)
- HTTPSの利用有無、利用する場合にはHTTPとHTTPSの割合 (%)
- 利用するAZ(アベイラビリティ・ゾーン)の数
- バックエンドインスタンスでのKeep-aliveの設定可否
- イベント日までにバックエンドEC2インスタンス数を増やしますか。(増やす場合はいつ、どのくらい増やしますか)
- トラフィックパターンをお知らせください。(どのくらいの期間でどのくらいトラフィックが上がりますか)
- ユースケースをお知らせください。
各項目の記載内容
ELB名・リージョン、またはFQDN
ELB名・リージョン・FQDNを記入
予測されるピーク時のリクエスト数 (requests/秒)
ページビューではなく、画像やCSSなど全てのページ構成要素のリクエスト数
予想されるピーク時の1リクエストあたりのリクエストサイズ+レスポンスサイズ(bytes)、または想定スループット(bit/秒)
想定される最大の値を記入
Pre-warmingが必要となる期間(開始時刻・終了時刻)
開始時刻(MM-DD HH:mm)〜 終了時刻(MM-DD HH:mm)
HTTPSの利用有無、利用する場合にはHTTPとHTTPSの割合(%)
HTTPSを利用する場合は、%で記入
利用するAZ(アベイラビリティ・ゾーン)の数
アベイラビリティ・ゾーンの数 現在ご利用中のAZの数から変更予定があればその旨記載
バックエンドインスタンスでのKeep-aliveの設定可否
Keep-aliveの設定の可否 ELBはバックエンドWebサーバのKeep-Alive有効化によってパフォーマンスが向上しますので、有効化することをおすすめしてます。
イベント日までにバックエンドEC2インスタンス数を増やしますか。(増やす場合はいつ、どのくらい増やしますか)
Pre-warmingが必要となる期間の開始日までにバックエンドのEC2インスタンス数を増やす場合はいつ、どのくらい増やすか記載
トラフィックパターンをお知らせください。(どのくらいの期間でどのくらいトラフィックが上がりますか)
「毎日○時にピークが発生します。」 「月曜日から徐々にトラフィックが増加し、土曜日の○時にピークを迎えます。」
ユースケースをお知らせください。
「告知済みのメンテナンス明けでユーザーが一斉にアクセスします。」 「TV CMが18:10 – 18:40に放送される予定です。」
サポートケースにて申請
上記内容を確認し、サポートケースにて申請します。
- サービス:Elastic Load Balancing(ELB)
- カテゴリ:ロードバランサー関連
- ELB名はケースのフォームでも入力できますので念のため入れましょう。
- 件名は「ELBの暖気申請について」
- 説明にELB暖気申請フォーマットの内容を記入します。
- 緊急度について(普通で申請しますが、申請日から開始希望日まで期間が短いときは適宜変更しましょう)
※申請内容と実際のバックエンドのEC2のキャパシティなど整合性が合わない場合はケースにて回答がきますので AWSサポートの回答を参考にELB配下のEC2の数やインスタンスタイプなど変更しましょう。
まとめ
ELBの暖気運転、申請方法をご紹介しました。
TVやメディアによる露出などで急激なアクセス増が予想されるときは ビジネスチャンスを逃さずサービス継続のため是非ELBの暖気申請を活用してください。
参考資料
[AWSマイスターシリーズ]Amazon Elastic Load Balancing (ELB)